「陸王」
半沢直樹でおなじみの池井戸潤さんの2017年にドラマ化もされた陸王。
零細企業となった老舗足袋メーカーとランナーの再起が泥臭く爽快に描かれた作品。
足袋という判りやすい斜陽産業で描かれていますが、時代と共に顧客の減産・後継者の不在・融資貸し渋り、
まったくもって他人事ではありません。
いつも資金繰りに追われる中小企業の社長。なかなか就職の決まらない社長の息子。
じり貧の中小企業でまじめに働く従業員。現場を分かってない上司に対立する人望の熱い社員。
夢を追って挫折した元社長。怪我で思うように走れないランナー。
そんな人々が一つの目標に向かって力を合わせ、大企業や銀行を相手に、会社の存続と夢に向かって勝負に出る!
テンポよく展開するストーリーは痛快かつ爽快で、清々しい気持ちにさせてくれます。
「ビジネスというのは一人でやるもんじゃない。理解してくれるような協力者がいて技術があって情熱がある。
ひとつの製品を作ること自体が、チームでマラソンを走るようなものなんだ」心に残る作品です。